救急外来(ER)研修
慶應救急科では、昨年度は約4000人の救急車搬入患者の初期診療を行いました。研修医は1勤務が約8時間のシフト制で、週あたりの勤務は約40時間、オフの時間には【シミュレーションラボ研修】で臨床の経験を確認することも可能です。 また、救急科研修期間中の病院当直では、救急科専任当直医が対応する【救命対応】の患者診療に参加して研修を行います。 救急科専任医の指導のもとで、原則として1研修医が1人の患者を救急搬入から搬出(病棟入院あるいは帰宅・転送)まで担当することにより、密度の高い救急臨床研修が可能です。
救急科病棟(GICU・救急病棟)研修
約2週間の病棟研修期間中に、ERでの初期診療に引き続き救急科が入院診療を担当する患者管理を研修します。昨年度は約270人の入院がありました。 GICU入院での重症外傷、薬物中毒、ショックなどの患者管理(手術治療を含む)から、救急病棟での経過観察患者まで、おもに救急患者の急性期治療を、病棟専任救急医の指導のもとで行います。
シミュレーションラボ研修
臨床研修がオフの時間には、最新鋭のシミュレーターと選任の指導職員が常駐するシミュレーションラボ(東校舎1階)での研修プログラムが用意されています。本年度は縫合実習、BLSのほか、次の3つの標準化診療ガイドラインの実習を行っています。
- ACLS (Advanced cardiovascular life support :致死的不整脈への対応)
- JPTEC (Japan prehospital trauma evalution and care :病院前外傷診療の基礎)
- JATEC (Japan advanced trauma evaluation and care :重症外傷初期診療の基礎)
救急研修 advanced course
2年目研修医には、1年目の救急研修(必修)の到達度により、次のプログラムを用意しています。また、3ヶ月以上の救急研修では、個別に研修プログラムを作成する予定です。
- ER研修医チーフ
1年目研修医を指導しながら、複数の救急患者診療をマネージメントします。 救急医としての迅速な判断力・冷静な思考・状況把握の能力が求められ、”ネーベン”としての研修とは全く異なるトレーニングとなるでしょう - 救急医療指導
慶應救急科ではBLS・ACLS・JPTECの講習会を随時開催しています。 1年目研修医やコメディカルへの指導に参加することにより、自分自身の知識と技能の向上を図るとともに、指導者としての医師の素養を磨いてもらいます。
慶應救急科が用意する研修プログラムは、将来どの分野に進もうとも、 医師として求められる必須の研修内容を含んでいると考えています。 研修医教育に熱心なスタッフとともに、救急医療の研修を通じて “一回り大きな”医師を目指してください。