20180801記載
2017年度より開始された新専門医制度下で,ダブルボード(基本領域専門医を複数取得すること)のキャリアパスがどのようなものになるのかについては,未だ不透明な状態が続いています。
そこで今回,救急科と整形外科のダブルボードについて,当科専攻医担当主任の栗原医師と,当院整形外科専攻医担当主任の原藤医師で,今後の展望について話し合う場を設け,その結果を以下の質問形式でまとめました。
今回は,救急専門医取得後に整形外科専門医取得を目指すケースについて話し合っています。
※下記内容には私見も混じっているため,正確には日本専門医機構,日本救急医学会および日本整形外科学会からアナウンスされる情報をご参照ください。
日本専門医機構リンク
https://jmsb.or.jp/
日本救急医学会リンク
https://qqka-senmoni.com/guide-map/faq-list
日本整形外科学会リンク
https://www.joa.or.jp
Q ダブルボードは可能か?
日本専門医機構の「新専門医制度 概説とQ&A(現在サイトは閉鎖)」に記載がある通り,可能です。
ただし複数の専門医を同時に取得することはできず,臨床研修終了後直ちに開始する専門領域の研修は,原則としてプログラム制とすることとされています。
Q 研修プログラム制と研修カリキュラム制の違いについて
用語が各学会によって一定でないようですが,従来の専門医取得体制が研修カリキュラム制,新専門医制度発足により導入された,一定の年次で基本領域の専門医を養成する体制が研修プログラム制です。
Q 救急科専門医と整形外科専門医ダブルボードのキャリアパスは?
まずは救急科専門医をプログラム制で取得します。その後,プログラム制あるいはカリキュラム制で整形外科専門医を取得することになります。
整形外科研修プログラム制を選択すれば3年9ヶ月,45単位取得後の専門医試験受験となります。
カリキュラム制を選択した場合には,4年間の整形外科研修終了後書類申請,書類審査合格後,翌年の受験となります。
現在救急医学会のウェブサイトには,「救急科プログラム研修中に経験した整形外科症例を、後に整形外科プログラムに入った場合にカウントできるよう、学会間で交渉を行っています。」とのコメントが掲載されており,ダブルボードを目指す際の負荷軽減措置を講じていることが伺えます。
また日本整形外科学会ウェブサイトには,「カリキュラム制で研修するためには、学会へカリキュラム制を選択する理由を申告していただき、それが合理的なものであるかを検討させていただくことになります。検討の結果、研修が認められないこともありますのでご注意ください」との記載があります。
救急研修プログラム終了後に整形外科研修カリキュラム制を選択する場合に,どのタイミングで申告を行うべきなのか,明らかではありません。
今後ダブルボードについての詳細が明らかになり次第,順次上記内容を更新する予定としています。
20220425追記
日本専門医機構は、救急科プログラム在籍中にローテ―トした整形外科研修について、カリキュラム制での整形外科研修の一部としては認定しない方針であることが確認されました。
また、救急科プログラム終了後にカリキュラム制による整形外科研修を開始する際にも、日本専門医機構に登録することが必要であることが確認されました。
20190307追記
救急医学会は、プログラム在籍中の整形外科への出向を認めています。
また整形外科学会は、救急科プログラム在籍中に日整会認定研修施設の整形外科に正式出向して、研修手帳の研修歴に施設長および研修指導責任医師に署名をもらった場合、日整会認定研修施設での研修期間にこれを含めることができる、としています。
つまり、救急科プログラム終了後にカリキュラム制で整形外科専門医を目指す場合、整形外科プログラム入り直すよりも早く整形外科専門医を取得できる可能性があります。
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